子どもを授かりたい人たちの中には、なかなか自然に妊娠しない人たちがいます。そういった悩みを抱えた人たちにとって不妊治療は大変重要な選択肢になります。この記事では、実際に不妊治療を体験して子どもを授かった経験から、人工授精と顕微授精の違いや感じたことを紹介していきます。少しでも、人工授精と顕微授精の実施について悩んでいる方の参考になれば幸いです。体外授精・顕微授精を選んだ経緯私たち夫婦が体外受精・顕微授精を選んだ経緯は、想定外に妊娠することができなかったからです。この記事を読まれている方は、何らかの事情で妊娠ができず、少なからず悩みを抱えている方だと思います。私たちもそういった悩みを抱えていたうちの1人です。当たり前のように妊娠出来ると思って妊活を始めましたが、意に反して2年たっても一向に兆しが見えず、両親も巻き込んで話し合いをした結果、私たちは不妊治療を開始することを決めました。ここからは、私たちが不妊治療を決断したきっかけや経緯を紹介します。きょうだいができずに悩んだ2年私たち夫婦ともにきょうだいがいたため、子どもを育てるならきょうだいがいいと考えていました。長男は自然妊娠で授かったため、下のきょうだいも当たり前のようにすぐに授かるものと、当初は何も心配していませんでした。しかし、ここからが私たちの悩みに悩んだ2年間の始まりでした。妊活開始から半年は、妊娠しなくてもすぐ出来るだろうと気楽に考えていましたが、1年を過ぎたあたりから、いよいよ本気で妊娠しないことを悩み始めました。悩みながらの妊活は本当に大変です。妻は生理が来るたびに、また妊娠しなかったと気持ちが沈み、情緒不安定に悩まされました。私もそんな悩み苦しむ妻の姿を見るのがとても辛く、精神的にも参っていました。自然妊娠に見切りをつけたきっかけ自然妊娠に見切りをつけたきっかけは以下の2つです。長男の年齢が3歳を過ぎたこと妻の年齢が31歳を超えたこときょうだいの年齢差を気にする理由は、自分たちのきょうだいの年齢差が3歳未満であったことで良い関係が築けていたと思っていたからです。長男が3歳を過ぎ、これ以上年齢が離れることは自分たちが想像する子育てに合致しないと考えました。また、将来3人以上の子どもが欲しいと思っており、一般的に妊娠しやすい35歳までに出産を終えるには、31歳という年齢はリミットと考えたためです。子どもと妻の年齢を踏まえ、自然妊娠ではなく不妊治療をして妊娠を目指すことを決めました。きょうだいを授かるまでの道のり不妊治療を開始したものの、すぐに妊娠することはありませんでした。まず、タイミング法から開始し、その後、体外受精を経て顕微授精を何度か試みました。しかし、この不妊治療の2年間においても別の悩みがありました。資金の悩みです。不妊治療とはいえ、妊娠を保証するものではありません。妊娠せずとも、大きなお金が出て行ってしまうため、経済的負担は大きいものになります。不妊治療の辛さと資金の悩みを経て、やっとのことで妊娠することができたのです。不妊治療の種類ここでは不妊治療の種類について表にまとめました。治療分類種類一般不妊治療タイミング法人工授精ホルモン療法生殖補助医療体外受精顕微授精不妊治療の分類には人工授精を含めた一般不妊治療と、別名ARTといわれる高度生殖医療の生殖補助医療に分けられます。私たち夫婦は以下の順で治療を進めました。人工授精体外受精顕微授精以下順を追って説明していきます。人工授精の基礎知識人工授精とは簡単に言うと、排卵日を予測し、排卵日付近に良性な精子を細い管で子宮腔内に入れる方法です。この方法は、はじめにタイミング法を実施し、その結果妊娠しなかったカップルに実施されることが多いとされています。人工授精の対象となる人人工授精に向いている人は以下の通りです。自然妊娠やタイミング法で妊娠が見込まれない人精子の数が少ないと診断された人高度生殖医療を受ける前に生殖医療を受けたい人自然妊娠やタイミング法を試みた結果、妊娠ができなかった人は、次のステップとして人工授精を受けることを検討する人が多いといわれています。授精しやすくするために良性の精子を選別し注入することから、精子そのものの数が少ない男性の場合も人工授精を薦められることもあります。人工授精は一般不妊治療の枠内のため、高度生殖医療に対し治療費はやや抑えられています。高度生殖医療を受ける前に生殖医療を受けたい人は、人工授精を検討してみてください。顕微授精の基礎知識顕微授精とは、抽出した卵子にガラスの針で一匹の精子を注入して受精させる方法です。具体的には、点鼻薬等で卵子の成熟を増やし、卵子を体内で生成します。その後排卵誘発剤を用いて採卵を行い、培養液に移します。その後精子を採取し良性な精子の選別を行った上で卵子に注入し受精を確認。培養液にかけてしばらくしてから、母体に胚移植し着床を試みる治療法です。顕微授精の対象となる人顕微授精に向いている人は以下の通りです。体外受精で妊娠しなかった人精子欠乏症の人抗精子抗体を持つ人顕微授精は人工授精でも体外受精でも妊娠することができなかった人が試みる最後の手段ともいえます。精子の数が少なく自力で受精することが難しいケースは、顕微授精を選択するひとつの目安になります。まれに精子を外敵とみなし受精を妨害してしまう免疫反応を示すケースがあります。そういった自然妊娠が難しい人も顕微授精を選択するひとつの判断材料になるでしょう。人工授精と顕微授精の大きな違い人工授精と顕微授精の大きな違いを表にしました。項目人工授精顕微授精妊娠率△〇母体への負担〇△経済的負担〇△人工授精は精子を採取し、母体に直接カテーテルを用いて精子を注入する方法です。一方で顕微授精は、良性な卵子を育て抽出し、良質な精子を選別し人為的に直接卵子に注入し受精させる方法です。どちらも母体への負担は小さからずかかるため、医師と十分相談の上、自身に適した方法で実施していく方法を選択することが大切です。不妊治療における父親の体験談私は父親として不妊治療に関わりました。私たち夫婦の経験を通して感じたことは、不妊治療は女性への負担がものすごく大きいということです。当初当たり前のように自然に妊娠するものと始めた妊活も、焦りと不安の影響で、通常の性交渉での自然妊娠では難しいと判断しましたが、妻にとってはショックだったようです。それからは生理のたび、妊娠しなかったことへの悔しさから涙することも珍しくありませんでした。治療に入ってからもストレスと不安から妻は落ち込み気味だったことを記憶しています。だからこそ、父親だからこそできることは何か、伝えられることを伝えたいと思います。父親だからこそ出来ること父親は精子を提供することしかできません。良質な精子を作るために規則正しい生活をするのは当たり前で、いかに母親にストレスなく接することができるか、に尽きると思います。不妊治療は女性にとって精神的にも肉体的にも経済的にも大きな負担です。そんな中、母親になろうとしている女性は、他の何よりもこれから出会う自身の子どもに対する愛情を一番に考えているはずです。その負担を一手に引き受けていることを理解しようとする気持ちと行動が出来るのが父親の役目だと思います。いつまで治療を続けるか不妊治療に絶対はありません。さまざまな不妊治療がありますが、場合によっては治療を断念する決断も必要になります。一般的に女性が35歳を超えると妊娠率が急激に下がります。妊娠率の低下とともに子どもが先天性異常を持って生まれてくる可能性も増加していきます。私はこの短期間の不妊治療でもストレスの波が次々と押し寄せてくるのを目の当たりにしました。もしこの波が終わりのないものだとしたら、それはとても不幸なことだと思います。自分たち自身にとって一番の幸せが何か、一度整理しておき、治療期間の終了時期を用意しておくことも、とても大切なことだと思います。価値観は人それぞれ、正解はない不妊治療に対する価値観はひとそれぞれで、正解はないと考えています。あくまで不妊治療は、子どもを授かりたいけれど授かりにくい人たちへのサポートであって、それを利用するかは個人個人に委ねられます。私たちは苦労の末に子どもに恵まれましたが、想像とは違った生活をしています。人工授精にしても顕微授精にしても、工程が違うだけで目的は一緒です。知識をつけ自分自身の望む結果に結びつけられる選択をしましょう。まとめとアドバイスこの記事では、人工授精と顕微授精の基礎知識にも触れながら、私自身の体験談をお話しました。私たち夫婦は不妊治療を経験して子どもを授かる大変さを学びました。しかしその大変さを乗り越えて得られたものも大きかったです。これから不妊治療に臨むことを検討している人たちにとって、私たち夫婦からお伝えできることは、不妊治療は決して女性だけに負担が行かない様に男性は配慮していただけたらと切に願います。自分たちにとって何が一番幸せなことか、とことん話し合い、お互いが納得のできる選択をしていただけたら幸いです。最後に、皆さんの想像する想い、そして未来が形になることを心よりお祈りさせていただきたいと思います。筆者プロフィール小学4年と年少の双子3人の子を持つ父親。2023年よりSEOライターとして活動中。長男を授かった後、なかなか下のきょうだいに恵まれず、不妊治療の実施を決断。数年間の治療の末、双子を授かり、現在育児と仕事の両立に日々奮闘している。