妊活中は、葉酸や鉄だけでなく、実はカルシウムも大切な栄養素のひとつ。妊娠前から意識して摂りたい栄養素ですが、気づかないうちに不足している方も少なくありません。とはいえ、忙しい毎日の中で、食事のバランスまでしっかり整えるのはなかなか難しいですよね。この記事では、妊活中にカルシウムを摂りたい理由や、効率よく摂るためのコツをご紹介します。さらに、忙しい日でも手軽に取り入れられる簡単メニューもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。妊活中にカルシウムが必要な理由「カルシウムって妊活中にも必要なの?」と思う方もいるかもしれませんね。ここでは、妊活中にカルシウムをとりたい理由についてご紹介します。妊娠前の体づくりに必須な栄養素妊娠・出産・授乳の時期には、赤ちゃんの骨や歯をつくるために、ママの体から多くのカルシウムが使われます。そのため、妊娠がわかってから急いでとるよりも、妊娠前からカルシウムをとる習慣をつけておくことが大切です。カルシウムは骨や歯の健康を保つだけでなく、心臓や脳、筋肉などの働きにも関わる大切なミネラル。妊娠中は吸収率が高まるため、とくべつに多くとる必要はありませんが、不足しやすい栄養素なので、妊活中から意識してとるようにしましょう。ストレス・PMS対策に「イライラにはカルシウム」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。カルシウムが不足すると、気持ちが不安定になったり、イライラや不安感が強くなることがあります。妊活中はホルモンバランスの変化や、将来への不安などでストレスを感じやすい時期。さらに、PMS(月経前症候群)の症状に悩む方も少なくありません。妊活中はピルなどの薬が使いづらい場合もあるため、食事からできるケアが大切です。カルシウムを意識してとることで、心を穏やかに保つサポートにもつながります。毎日の食事の中で、無理なく取り入れていけるといいですね。妊活女性はカルシウム不足って本当?妊活中は葉酸や鉄分ばかりに注目しがちですが、実はカルシウムも不足しやすい栄養素のひとつです。厚生労働省がすすめる1日のカルシウムの推奨量は650mg。これは妊娠中や授乳中も同じです。でも実際の摂取量は…20代女性:約386mg30代女性:約399mg40代女性:約409mg推奨量よりも毎日200〜300mgほど不足しているのが現状です。カルシウムは、骨や歯の健康だけでなく、妊娠・出産に向けた体づくりや、心のバランスをととのえるためにも大切な栄養素。まずは「自分も足りていないかも?」と気づくことが、妊活中の食生活を見直すきっかけになります。カルシウムを多く含む食べ物一覧カルシウムは、乳製品・緑黄色野菜・豆類・小魚などに多く含まれています。・乳製品:ヨーグルト、牛乳、プロセスチーズ・魚介類:干しエビ、わかさぎ、煮干し・野菜類:モロヘイヤ、小松菜、菜の花・その他:ヒジキ、ごま、生ワカメ など各食品ごとにカルシウム以外にも含まれる栄養素は異なるため、日々の食事では、これらをバランスよく取り入れることが大切です。カルシウムを効率よく摂るコツカルシウムを多く含むものを食べるだけでなく「どう摂るか」も大切です。ここでは、カルシウムを効率よくとるためのポイントを3つご紹介します。吸収率がよい乳製品は習慣にカルシウムは、食品によって体への吸収されやすさ(吸収率)が異なります。たとえば、カルシウムの吸収率は乳製品:約40%小魚:約30%青菜:約20%とされています。このように、乳製品は吸収率が高いため、適量を習慣として取り入れたい食品のひとつです。なお、1日あたりの乳製品の目安量は、牛乳ならコップ1杯(約200ml)ヨーグルトなら1個100g程度を2つ分ほどになります。朝食やおやつにヨーグルトを取り入れたり、料理にチーズを加えたりと、日々の食事の中で自然に続けられる形で取り入れてみましょう。相性がよい食材と一緒に摂るカルシウムは他の栄養素と組み合わせてとることで、体への吸収率が高まることがあります。次の食材との組み合わせにも意識できるとよいですね。ビタミンDビタミンDはカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンです。魚類やきのこ類に多く含まれています。また、ビタミンDは着床のしづらさに関わる可能性があるとされていながら、不足しやすいため妊活中はとくに意識して摂りたい栄養素です。クエン酸疲労回復効果で知られるクエン酸には、カルシウムの腸での吸収を高める働きがあります。レモン、グレープフルーツ、梅干し、酢などに多く含まれており、小魚や青菜などカルシウムを含む食材と組み合わせると効果的です。レモン汁や酢をかけて食べるのがおすすめですよ。加工食品やインスタント食品は控えめにリンはカルシウムの吸収を妨げるため、摂りすぎには注意が必要です。インスタント食品やスナック菓子、加工食品などに多く含まれているため、できるだけ控えるようにしましょう。カルシウムが摂れる簡単レシピ3選ここでは、妊活中に意識してとりたい「カルシウム」がしっかりとれるレシピを3つご紹介します。日々の食事にとり入れやすく、手軽に作れるものばかりなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。桜えびのチーズチヂミ桜えび・チーズ・小松菜で、カルシウムたっぷり!外はカリッ、中はもちっと香ばしい、一品です。タレにはクエン酸もとれるよう酢醤油やポン酢で食べるのがおすすめ!【材料】(2枚分)・桜エビ…大さじ2・チーズ…大さじ2・卵…1個・小松菜…1/2束(100g)・玉ねぎ…1/4個・米粉…70g・片栗粉…30g・鶏がらスープの素…小さじ1・塩…1つまみ・水…100ml・胡麻油…適量【作り方】1.小松菜は3㎝幅にきり、、玉ねぎは薄切りにする。2.ボウルに卵、水を入れて混ぜ、さらに鶏ガラスープの素、塩、米粉、片栗粉を加えてよく混ぜる。3.2に1と桜エビ、しらす、チーズも加えて混ぜる。4.フライパンにごま油を熱し、生地の半量を流し入れて平らにならす。中火で両面をこん がり焼く(片面3〜4分ずつが目安)。5.残りも同様に焼き、お好みでポン酢や酢醬油で食べる。チンゲン菜とシラスの梅おかか和えカルシウムたっぷりのチンゲン菜とシラスに、梅の酸味とおかかのうま味を合わせた、さっぱり食べやすい副菜です。【材料】(2人分)・チンゲン菜…1株(約120g)・しらす…大さじ2(約20g)・梅干し…1/2個(塩分控えめのもの)・かつお節…1パック(2g)【作り方】1.チンゲン菜をさっとゆでて、水気を絞り、食べやすく切る2.梅干しは種を除き、包丁でたたく3.ボウルにチンゲン菜・しらす・梅・かつお節を入れて和える4.味を見て、必要ならしょうゆを数滴だけ加える(入れなくても梅で十分なことが多い)米粉のクラムチャウダー鉄が豊富なあさりに加え、牛乳でカルシウムしっかり補う、吸収率がよくなるビタミンDがはいるきのこもいれてつくる。グルテンフリーでつくれるうれしいポイントです。【材料】(2人分)・あさり缶…80g・玉ねぎ…1/2個・にんじん…1/3本・しめじ…1/2パック・米粉…大さじ1・コンソメ顆粒…小さじ1・オリーブオイル…小さじ1・水…250ml・牛乳…150ml・塩胡椒…適量【作り方】1.玉ねぎとにんじんを1cm角に切り、耐熱容器に入れてラップをし、600Wの電子レンジで3分加熱する。2.鍋にオリーブオイル小さじ1を熱し、加熱した玉ねぎとにんじんを軽く炒める。3.米粉をふり入れて軽く混ぜ、水を加えて野菜がやわらかくなるまで煮る。4.牛乳を加えて沸騰させないように温め、塩・こしょうで味をととのえる。妊活中からしっかり摂りたいカルシウム妊活中は葉酸や鉄だけでなく、カルシウムも意識して摂りたい大切な栄養素です。骨や歯の健康だけでなく、妊娠・出産に向けた体づくりや心の安定にも関わります。不足しやすいからこそ、吸収を高める工夫や食材の組み合わせを意識しながら、日々の食事に取り入れてみましょう。手軽に作れるレシピも参考に、忙しい毎日でもおいしく無理なく続けていけるといいですね。参考)妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針.厚生労働省令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要.厚生労働省産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2023