「家族は4人欲しい!そろそろ2人目を考えてるけど、なかなかできない・・・」「1人目は自然に妊娠できたからタイミング法とか、体外受精とか、人工授精とか、私には不妊治療は必要ないよね?」2人目が欲しいと思っている方の中には、このように思っている方もいらっしゃると思います。1人目はすぐにできたけど、2人目をなかなか授からないという悩みをもっている方は、あなただけではありません。実は、今の日本には2人目ができないことに悩む女性が、多くいらっしゃいます。最近、日本では「2人目不妊」が増えているのです。2人目不妊の方は、「1人目は自然に妊娠したから、そのうち妊娠するだろう」と、不妊治療への意識も遠のきがちです。今回の記事では、2人目不妊の原因、2人目不妊の対策としてご自身でできること、不妊治療をはじめるタイミングについて解説していきます。二人目不妊とは2人目不妊とは、一般的に、1人目を妊娠・出産し、産後の授乳期間を終えて、2人目を希望して妊活をしているにも関わらず妊娠しない状態をいいます。医学的には「2人目不妊」という位置付けではなく、過去に1回以上妊娠経験(流産も含む)、出産歴があるにも関わらず、その後妊娠しない状態を「続発性不妊症」と定義しています。女性の社会進出が進み、1人目を授かる年齢が高くなってきているため、自動的に2人目を希望する年齢も高くなっています。そのため、最近では2人目不妊に悩む方も多くなってきています。1人目を自然妊娠で授かった方でも、2人目で不妊となる方も多くいます。「1人目が大丈夫だったから自分は不妊じゃない」と思わず、向き合っていくことも大切です。二人目不妊の原因1人目を不妊治療で授かった方は、2人目も不妊症となる可能性が高いです。しかし、1人目を自然妊娠で授かった方でも、2人目不妊となる可能性があります。2人目不妊となる原因はさまざまですが、考えられる原因について解説していきます。加齢1人目を自然妊娠で授かったあと、2人目不妊となった方の原因として多いのは「加齢」です。女性も男性も、年齢の上昇に伴い、妊孕力(妊娠する能力)は低下していきます。2人目を考えるときには、1人目のときよりも年齢が上昇しているため、もちろん卵子は老化し、精子も質が低下していきます。特に35歳を過ぎると、卵子の老化するスピードは早まるといわれています。妊娠しにくくなったり、流産となる確率も上昇してきます。一人目を出産したときの影響1人目を帝王切開で出産した方の中には、手術のときに切開した子宮の筋肉どうしがうまくくっつかずに、子宮の壁が薄くなったり、子宮の中に粘液が溜まった状態が続く「帝王切開瘢痕部症候群」を引き起こす方もいます。帝王切開瘢痕部症候群の方は、子宮内膜が厚くなりにくいことで着床しにくくなったり、子宮内に溜まっている粘液とともに受精卵が流されてしまったりと不妊の原因となります。また、中には、授乳を中止しても母乳を出すプロラクチンというホルモンが下がりにくい「高プロラクチン血症」となる方もいます。高プロラクチン血症では、排卵が抑制されてしまい、不妊の原因となります。仕事や育児による疲労(ホルモンバランスの乱れ)慣れない育児に日々追われていたり、仕事をされている方は育児と仕事の両立に疲弊していたり、育児されている方は、特にカラダにもココロにもストレスが溜まっていきがちです。また、「2人目はまだ?」と言われることもストレスにつながります。ストレスを感じるとホルモンバランスが乱れやすくなり、排卵が起こりにくくなったり、時期がずれたり、子宮内膜が十分に厚くならなかったりと妊娠する機能に影響を及ぼします。性交渉回数の減少「育児や家事、仕事が忙しくて性交渉の回数が減った」というのは、よくあることです。1人目を出産したことによって環境が変わったり、ホルモンや疲労の影響で性欲が減少することもあります。2人目となると、排卵の時期に合わせて性交渉を持つことが難しい方も多くなっており、セックスレスが2人目不妊の原因となることもあります。二人目不妊の対策としてできること2人目不妊の対策としてご自身でできることを紹介します。基礎体温を測り排卵日を知る基礎体温を測って記録することで、排卵の時期を把握することができます。一般的に基礎体温は朝目覚めて活動する前に測定します。正常な排卵が行われている女性の基礎体温は、排卵前後で「低温期」と「高温期」の2パターンに分かれています。体温が上がらず、低温期が続いている場合には排卵が起きていない可能性があります。1人目を出産した影響や、育児や仕事の疲労などでホルモンバランスが崩れて排卵が起こりにくくなることもあります。3ヶ月ほど測定することで、排卵しているかの目安や、ご自身のおおよその排卵周期を知ることができます。今後不妊クリニックの受診を考える場合にも、参考になるのでつけてみるといいですね。バランスのいい食事「過度なダイエットをすると生理が来なくなる」と、聞いたことはありませんか?カラダに十分な栄養が行き届いていないと、自分の生命を維持することで手一杯になってしまい、生殖機能が衰えます。育児や仕事でご自身の食事に意識を向けることは難しいかと思いますが、少しでもバランスの良い食事を心がけていきたいですね。睡眠をしっかりとって心身ともにストレス軽減育児で眠れていない日々、ココロも疲労困憊な日々が続くこともあるかと思います。排卵など妊娠に関わる機能を維持するためには、心身ともにストレスを軽減していくことが大切です。ストレスが溜まっていてつらいと感じるときには、一時保育などを利用してお子さんを預けてリフレッシュするのも一つの手です。また、ストレス過多や睡眠不足になると、プロラクチンやコルチゾールというホルモンの分泌が増えます。プロラクチンは排卵を抑える作用があり、コルチゾールには排卵障害や月経不順を引き起こす可能性があります。心身ともにストレスを軽減することも、2人目を授かる第一歩です。カラダを冷やさない子宮や卵巣はもともと冷えやすい臓器だといわれています。カラダが冷えると全身の血流が悪くなってしまい、必要な酸素と栄養が届きにくくなります。そして、自分の生命を維持するための臓器に優先的に酸素と栄養が流れていくため、子宮や卵巣は後回しになってしまい、生殖機能は衰えます。そもそも、女性は男性と比べると、筋肉量が少なく脂肪が多いカラダの作りをしているため、カラダが冷えやすくなっています。特に夏場は冷房のきいた空間で過ごしたり、冷たい飲み物を飲むことで、カラダはますます冷えやすくなるので注意が必要です。また、冬場は下半身から冷えやすくなるので、常に靴下を履くようにしたり、ブランケットなどを活用していくといいですね。夫婦のコミュニケーション1人目が生まれると育児や仕事に追われて、夫婦のコミュニケーションを取ることが難しくなりがちです。また、子どもが生まれたあとは性欲が減少しやすい傾向にあります。お互いを育児のパートナーとしてしか、見ることができなくなることも多いと思います。そういったときこそ、夫婦の会話や感謝の気持ちを伝えるなど、コミュニケーションを大切にしていきたいですね。不妊治療をはじめるタイミング2人目を考えているのになかなか授からないときには、病院に通院し、不妊治療を検討することも大切です。1人目を自然に授かった方は、「一度妊娠しているから、自分は不妊ではない」と思う傾向にあり、受診が遅れがちになります。しかし、1人目を妊娠したときとは、年齢もカラダの状況も変わってきています。加齢は不妊と大きく関連してきます。「今日より若い日はもう来ない」ということを忘れず、上のお子さんの預かり先など調整できるなら、できるだけ早めに受診をすることをおすすめします。特に早めの受診をおすすめする方・35歳以上の方・1人目を自然妊娠で授かっているが時間がかかった方・1人目を不妊治療で妊娠した方・婦人科系の疾患がある方まとめ今回の記事では、2人目不妊の原因、2人目不妊の対策としてご自身でできること、不妊治療をはじめるタイミングについて解説しました。1人目の育児に追われ、2人目が欲しいと思いながらもなかなか授からず、時間だけが過ぎていくことも多いと思います。この記事が、2人目不妊と向き合うきっかけになれば幸いです。