妊活中や妊娠初期の女性にとって、葉酸はとても大切な栄養素です。特に赤ちゃんの※神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)を防ぐために、妊娠の一カ月以上前から妊娠3カ月頃までの間はしっかりと葉酸をとることが厚生労働省からもすすめられています。「どんな食材に葉酸が多く含まれているの?」「効率よくとるにはどうすればいいの?」そんな疑問をお持ちの方のために、この記事では葉酸を多く含む食材葉酸を無駄なくとるための調理ポイント葉酸がとれる簡単レシピ3品をご紹介します。ぜひ、日々の食事づくりの参考にしてみてくださいね。※神経管閉鎖障害…妊娠初期に赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる「神経管」がうまく閉じずに起こる先天的な異常の一つ。葉酸を多く含む食材って?葉酸は名前のとおり、ブロッコリーやほうれん草などの葉物野菜に多くふくまれています。そのほかにも、果物や豆類、海藻などにも豊富です。ただ、妊活中は葉酸だけでなく鉄分・たんぱく質・カルシウムなどもバランスよくとることが大切です。いろいろな食材を組み合わせて、栄養バランスのよい食事を意識してとれるとよいですね。<葉酸を多く含む食材の例>野菜類:ブロッコリー、ほうれん草、枝豆、小松菜、モロヘイヤ、アスパラガス、かぼちゃ、とうもろこし豆類:納豆、ひよこ豆、きな粉果物類:アボカド、いちご、バナナ、なつめ、クコの実肉類:牛レバー、豚レバー魚介・海藻類:焼きのり、わかめ、あおのり、さくらえび、ウニ葉酸を効率よくとる3つのポイント葉酸は「水に溶けやすく」「熱に弱い」という特徴があります。調理のときにちょっとした工夫をするだけで、葉酸をより効率よくとることができますよ。1. 野菜は水にさらしすぎないほうれん草や小松菜などをカットしてから長く水にさらしておくと、葉酸が流れてしまいます。 洗うのはカット前に、さっと短めに。2. 茹でるより「蒸す・焼く・電子レンジ」茹でると葉酸が水に溶け出してしまうので、 蒸す、焼く、レンジ加熱などの方法が◎。たとえばブロッコリーはオーブンで焼くと甘みが増して、おいしく葉酸もとれます。3. 汁ごといただけるメニューもおすすめスープや煮物など、汁ごと食べられる料理は栄養をまるごととれます。汁物や炊き込みご飯もいいですね。妊活中におすすめ!葉酸たっぷり簡単レシピ3選それではここから簡単にできる葉酸レシピを3つ紹介します。他にも、鉄分や食物繊維などがとれるメニューばかりですので、ぜひ参考にしてくださいね。【1】生姜風味の枝豆とさくらえびの炊き込みごはん葉酸が豊富な枝豆とさくらえびに加え、しらすやさくらえびからはカルシウム、ビタミンD、鉄分、ビタミンB12もとれ、妊活中にうれしい栄養がしっかり補えます。生姜の風味で食欲もアップ、体を温めてくれる一品です。◆材料(2合分)・米:2合・枝豆(冷凍でもOK):100g・さくらえび:大さじ2・しらす(またはちりめんじゃこ):大さじ2・生姜(千切り):1かけA(調味料)・顆粒だし:小さじ1・酒:大さじ1・みりん:大さじ1・しょうゆ:小さじ1・塩:ひとつまみ◆作り方1. お米をといで炊飯器に入れ、調味料(顆粒だし・酒・みりん・しょうゆ・塩)を加えてから、通常の水加減になるように水を調整します。2. 枝豆、さくらえび、しらす、生姜をすべてのせて炊飯スタート。3. 炊き上がったら全体を軽く混ぜて完成。【2】ブロッコリーと塩麴鶏肉の山椒風味炒めブロッコリーは焼くことで甘みが引き立ち、葉酸も無駄なくとれます。塩麴で鶏肉はやわらかくジューシーに仕上がり、山椒を加えることで一味違った風味が楽しめますよ。◆材料(2人分)・ブロッコリー:1株(小房に分ける)・鶏もも肉:200g(一口大)・塩麴:大さじ1・ごま油:適量・粉山椒(お好みで):少々◆作り方1. 鶏肉に塩麴をもみ込み、10分以上置く。2. フライパンにごま油を熱し、鶏肉を焦げに注意しながら焼き、焼き色がついたら取り出す。3. 同じフライパンでブロッコリーを炒め、軽く焦げ目がついたら鶏肉を戻し、全体を混ぜる。 火を止め、粉山椒をふりかけて完成。【3】レンジで簡単!小松菜とひよこ豆のひじき煮ひじきや小松菜から葉酸、ひよこ豆やにんじんから鉄分や食物繊維が摂れ、栄養バランスが良いおかずです。冷蔵保存で3日ほど持ち、忙しい日でも手軽に栄養が補える作り置きおかずにもおすすめです。◆材料(2人分)・乾燥ひじき:10g(水で戻しておく)・小松菜:1/2束(ざく切り)・ひよこ豆(水煮):100g・にんじん:1/4本(千切り)A(調味料)・しょうゆ:大さじ1・みりん:大さじ1・だし:100ml(または水+だしの素)◆作り方1. 乾燥ひじきは水で戻しておき、小松菜はざく切りにする。2. 耐熱容器にひじき、ひよこ豆、にんじんとAを加えて、ふんわりラップをして、電子レンジ600Wで5分加熱。材料が柔らかくなるまで1分ずつ加熱して様子をみる。3. 2の間に小松菜はフライパンに水大さじ3を入れ、蓋をして蒸し焼きにし、2分ほど加熱する。4. 2と3をあえて全体を混ぜ合わせる。妊活中は食べる葉酸ケアを葉酸は、ブロッコリーやほうれん草、豆類や果物など、身近な食材にたっぷり含まれています。また、調理方法を少し工夫するだけで、葉酸を無駄なくとることができます。「ちょっと意識してみる」その気持ちが、からだにも心にもやさしい一歩になります。今日の食卓に、小さなひと皿から。あなたに合った“食べる葉酸ケア”を、ぜひ楽しんでみてくださいね。参考1)厚生労働省:神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について