妊活中の食事、何を意識すればいいの?そんなあなたにぜひ注目してほしいのが「マグネシウム」です。マグネシウムは骨の形成や心の安定にも関わる大切な栄養素のひとつ。さらに、妊娠が成立したあとの体にも必要とされる“必須ミネラル”です。この記事では妊活中にマグネシウムが必要な理由から、手軽にとれる食材・レシピまで解説します。ぜひ参考にしてくださいね。マグネシウムは妊活中に必要?マグネシウムは、体のさまざまなはたらきを支える大切なミネラルです。カルシウムとともに骨をつくったり、酵素のはたらきを助けて代謝をサポートする役割があります。また、ホルモンの分泌を助けたり、気持ちを落ち着ける作用もあるため、ストレスがかかりやすい妊活中や妊娠中にも欠かせない栄養素です。女性のお悩みに多いPMS(月経前症候群)や偏頭痛の症状をやわらげる効果も期待されています。厚生労働省でも、妊娠中はマグネシウムをやや多めにとることをすすめており、妊活中から意識してとり入れておきたい栄養素のひとつです。マグネシウムは不足気味って本当?妊活中から妊娠中にかけて必要とされるマグネシウムですが、実際には足りているのでしょうか。若い女性はマグネシウム不足日本人の食事摂取基準(2020年版)では、マグネシウムの1日あたりの推奨量は以下のとおりです。・18~29歳女性:270mg・30~49歳女性:290mg・妊娠中はそれぞれ+40mg(つまり310〜330mg)ところが、令和5年「国民健康・栄養調査」によると、実際の摂取量の中央値は20代女性・30代女性ともに193mgと、推奨量に対して不足していることがわかります。マグネシウムが不足する理由マグネシウム不足は、次のような習慣が原因となることがあります。・カップ麺や加工肉のとりすぎ:リンが多く、マグネシウムの吸収をさまたげます。・コーヒーやアルコールのとりすぎ:利尿作用により、体外に排出されやすくなります。これらをよくとる方は注意が必要です。過剰摂取のリスクは?通常の食事から過剰にマグネシウムをとることはほとんどありません。ただし、サプリメントなどでとりすぎた場合には、下痢や吐き気などの副作用が出ることがあるため、注意しましょう。マグネシウムを多く含む食べ物マグネシウムは精製度の低い自然に近い食品に多く含まれています。毎日の食事に取り入れる工夫としては「主食を玄米やそばも取り入れる」「具だくさんの味噌汁を取り入れる」などがおすすめです。一つの食品に頼るのではなくさまざまな種類の食品を組み合わせてとることがポイント。和食の基本「まごわやさしい」を意識すると、自然とマグネシウムを含む食品をバランスよく取り入れることができますよ。◆マグネシウムが豊富な主な食品【穀類】 玄米、そば、五穀米、全粒粉パン、オートミール・ま(豆類):きな粉、納豆、豆腐・ご(種実類):ごま、アーモンド・わ(海藻類):ひじき、のり、わかめ・や(野菜類):切り干し大根、枝豆、ほうれん草・さ(魚介類):しらす、あさり、いわし、かき・し(きのこ類):きくらげ、えのき・い(いも類):さつまいも、じゃがいもマグネシウムがとれる簡単妊活レシピ3選それではここでマグネシウムが多くとれるレシピをご紹介します。どれも簡単にできるためぜひ参考にしてくださいね。きなこと黒ゴマのオートミールバーきな粉と黒ごまの香ばしさがやさしく広がる、手軽に作れる妊活中にもおすすめなおやつです。オートミールはマグネシウム以外にも、食物繊維や鉄分などを含む栄養価の高い穀物ですよ。【材料(8本分)】・オートミール…100g・きな粉…大さじ2・黒ごま…大さじ1・はちみつ…大さじ2・豆乳…大さじ3(ゆるさによって調整)・サラダ油…大さじ1・アーモンド、レーズン…お好みの量【作り方】1.ボウルにすべての材料を入れ、しっかり混ぜる。2.クッキングシートを敷いた耐熱容器やアルミバットに広げ、厚さ1cm程度に整える。3.トースター(1000W)で10〜13分ほど焼く。焦げやすいので、途中で様子を見る。4.焼き上がったらしっかり冷まし、食べやすいサイズにカットする。高野豆腐の肉巻き甘辛煮高野豆腐はマグネシウムやたんぱく質が豊富。甘辛い味付けで、しっかりおかずにもなります。付け合わせはマグネシウムが豊富なほうれん草がおすすめ。【材料(2人分)】・高野豆腐(乾燥)…2枚・豚ロース薄切り肉(または豚バラ)…8枚(約160g)・片栗粉…適量・サラダ油…小さじ1・小ねぎ(小口切り)…適量・白ごま…小さじ1★水…200ml★醤油…大さじ1と1/2★みりん…大さじ1★砂糖…小さじ1★しょうが(すりおろし)…小さじ1【作り方】1.高野豆腐は水で戻して軽くしぼり、4等分に切る。2.高野豆腐に豚肉を巻き、巻き終わりを下にして片栗粉をまぶす。3.フライパンに油を熱し、肉巻きを並べて中火で焼き色がつくまで焼く。4.★の調味料を加え、落としぶたをして弱火で10分ほど煮こみ、最後火を強めて汁気を軽くとばして照りを出す。5.器に盛り、小ねぎと白ごまをちらして完成。しらすと青のりの塩麴ポテサラしらす・青のりはマグネシウムやカルシウムなどのミネラルが豊富。じゃがいもにはビタミンCが多く、ミネラルの吸収を助ける働きも。マヨネーズなしで、妊活中にもぴったりのやさしい副菜です。【材料(2人分)】・じゃがいも…中2個(約300g)・きゅうり…1/2本(薄切りにして塩もみし、水気をしぼる)・しらす…30g・青のり(またはあおさ)…小さじ2・塩麴…小さじ1/2〜1(お好みで調整)・こしょう…少々・小ねぎ(あれば)…適量【作り方】1.じゃがいもは皮をむいて一口大に切り、耐熱容器に入れラップをかけ、電子レンジ(600w)で5〜6分加熱する。柔らかくなったら粗くつぶす。2.粗熱がとれたら、材料すべてを加えて混ぜる。3.器に盛り、お好みで小ねぎをトッピングする。妊活中の体と心にうれしいマグネシウム妊活中の体づくりにおいて、マグネシウムはホルモンの分泌や心の安定、代謝のサポートなどに関わる大切な栄養素のひとつです。とはいえ、特別な食材を大量にとる必要はありません。毎日の食事の中で、「まごわやさしい」を少しずつ意識して取り入れていくことがポイントです。海藻・大豆製品・ごま・ナッツ・魚介など、マグネシウムを含む身近な食材を「ちょい足し」したり、味噌汁やごはんのおともに活用したりと、続けやすい工夫を見つけてみましょう。今回ご紹介したレシピも、妊活中の体づくりをサポートするヒントになればうれしいです。参考)1)「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 厚生労働省2)産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編20233)令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要.厚生労働省