妊活中に注目される栄養素といえば「葉酸」や「鉄」がよく知られていますが、実はビタミンEも欠かせない栄養素のひとつ。ビタミンEは別名「トコフェロール」と呼ばれ、その語源には「子供をうむ」という意味があります。名前は知っていても「妊活にはどんな効果があるの?」「どんな食材に多いの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。妊活中こそ不足しないように意識したいビタミンE。この記事では、妊活への効果から含まれる食材、そして手軽に作れる簡単レシピまでご紹介します。ぜひ、参考にしてくださいね。ビタミンEの妊活への効果ビタミンEには強い抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぐ働きを持ちます。そのため「若返りのビタミン」と呼ばれることもあります。妊活において期待されるのは、次のような効果です。卵子や精子の質を守る酸化ストレスから細胞を守り、卵子や精子の老化予防につながるとされています。血流を良くするビタミンEには毛細血管をひろげて血流をよくする働きがあり、冷えの改善や子宮内膜を整える効果が期待されています。このようにビタミンEは、妊娠しやすい体づくりを支える大切な栄養素です。女性だけでなく、男性にとっても欠かせない栄養素のひとつといえますね。妊活中に意識したいビタミンEの推奨量妊活中でも大切なビタミンEには1日の摂取目安量と上限量が定められています。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、ビタミンE(α-トコフェロール)の1日あたりの摂取目安量と耐容上限量は以下の通りです。女性 18〜29歳:5.0mg / 上限650mg 30〜49歳:6.0mg / 上限700mg 妊婦:5.5mg 授乳婦:5.5mg男性(18〜49歳):6.5mg / 上限800mg妊娠中や授乳中の女性も、通常時と比べて大きく増えるわけではありませんが、やや多めに必要とされています。食生活を一度に変えるのは難しいもの。妊娠にそなえて妊活中から少しずつ意識して、毎日の食事に取り入れていけると安心ですね。ビタミンEが不足したり摂り過ぎるとどうなる?推奨量を知ったところで気になるのが、「足りなくなったらどうなるの?」「逆に摂りすぎても大丈夫?」という点ではないでしょうか。ここでは、ビタミンEの不足と過剰摂取についてそれぞれ見ていきましょう。ビタミンEの不足ビタミンEが不足すると、血流が悪くなり冷えを感じやすくなることがあります。子宮や卵巣への栄養も届きにくくなるため、妊活にとって冷えは大敵といえるでしょう。ただし、ビタミンEは普段からバランスのとれた食事をしていれば不足することはほとんどありません。無理にサプリで補うよりも、日々の食事でビタミンEを含む食品を意識することが大切です。ビタミンEの過剰摂取必要量を超えてビタミンEを大量にとり続けると、出血傾向など体調不良を招く可能性があります。通常の食事で過剰になる心配はほとんどありませんが、サプリメントを使う場合は1日の上限量を守るように注意しましょう。ビタミンEを多く含む食べ物サプリに頼りすぎず、まずは日々の食事からビタミンEをとりたいもの。ビタミンEは特別な食品ではなく、魚介類や緑黄色野菜、ナッツ類など、身近な食材に豊富に含まれています。魚介類:サーモン、うなぎ 、ツナ、イカ、はまち、アユなど野菜類:モロヘイヤ、かぼちゃ、アボカド、ほうれん草、ブロッコリー、赤ピーマンなどナッツ類:アーモンド、くるみ、落花生、オリーブオイル などビタミンEの食べ方のポイントビタミンEを多く含む食材をとるだけでなく、効率よく吸収する工夫や注意したいポイントもあります。ここでは、妊活中に意識したい食べ方のコツをご紹介します。ビタミンCを一緒に摂るビタミンCはビタミンEの抗酸化作用をサポートし、その力を高めてくれます。パプリカやブロッコリー、柑橘類などと組み合わせるのがおすすめ。熱に弱いので、調理はサッと短時間で仕上げましょう。油の扱いに注意ナッツや植物油は栄養豊富ですがカロリーも高めなので摂りすぎは禁物。また、オリーブオイルやごま油などは、開封後に時間が経つと酸化して体に悪影響を及ぼす可能性があります。大きなボトルではなく少量サイズを選び、2〜3カ月を目安に使い切るのが安心です。妊活女性におすすめ!ビタミンEレシピ3選妊活中に欠かせないビタミンE。ここでは、身近な食材で手軽に作れるおすすめレシピを3つご紹介します。忙しい日でも簡単に取り入れられますよ。ぜひ、お試しくださいね。アボカド納豆と豆腐のわさび海苔巻き風アボカド納豆と豆腐のわさび海苔巻き風。アボカドは抗酸化作用のあるビタミンEが豊富で、豆腐や納豆と合わせることで腸活&潤いサポートにも◎海苔で巻けば手軽に食べられる妊活応援レシピです。【材料(2人分)】アボカド…1/2個納豆…1パック木綿豆腐…80g醤油…小さじ1わさび…小さじ1/3〜(お好みで)焼き海苔…2〜3枚【作り方】1. 豆腐は軽く水切りをして角切りにする。2. アボカドも豆腐と同じくらいの大きさに切る。3. 納豆は付属のタレ・醤油・わさびを混ぜて味を調える。4. ボウルに豆腐・アボカドを入れ、わさび納豆を加えてやさしく和える。5. 器に盛り、焼き海苔を添える。食べるときに海苔で巻いていただく。ブロッコリーとくるみのごま和えブロッコリーはビタミンCと食物繊維が豊富。くるみでビタミンEも摂れ、すりごまのコクと相性抜群。ビタミンEとCは一緒に摂ることで抗酸化作用が高まり、妊活中にうれしい栄養バランス副菜です。お弁当にもおすすめです。【材料】ブロッコリー…1/2株(約100g)くるみ…20g(粗く刻む)すりごま(白)…大さじ1【A】しょうゆ…小さじ2砂糖…小さじ1/2【作り方】1.ブロッコリーは小房に分け、茎は皮をむいて食べやすい大きさに切る。沸騰した湯に塩 少々(分量外)を入れ、1~2分ゆでてざるにあげ、水気を切る。2.くるみはフライパンで軽く乾煎りし、粗く刻む。3.ボウルにブロッコリー・くるみ・すりごまを入れ、【A】を加えて和える。かぼちゃのオリーブソテーかぼちゃは抗酸化作用のある ビタミンE が豊富で、妊活中にもおすすめの食材。さらにオリーブオイルからもビタミンEを摂れるため、風味と栄養の両面でうれしい組み合わせです。【材料(2人分)】かぼちゃ…200gオリーブオイル…大さじ1塩…ひとつまみ黒こしょう…少々バター…5g(お好みで)スライス黒オリーブ…4〜5個(お好みで)【作り方】1. かぼちゃは種とわたを取り、5mm幅の薄切りにする。2. フライパンにオリーブオイルを熱し、かぼちゃを並べて弱めの中火で両面をじっくり焼く。お好みでバターを落とす。3. 塩・こしょうで味をととのえ、器に盛る。妊活中は食事からビタミンEをビタミンEは、妊活中の体をととのえるのに役立つ栄養素のひとつです。抗酸化作用で若々しさを保ち、血流を整えることで、冷えや巡りのサポートにもつながります。特別な食材を用意しなくても、魚・野菜・ナッツなど身近な食品に多く含まれているので、毎日のごはんで少し意識して取り入れることが大切です。難しく考えず、普段の料理にプラスするくらいの気持ちで続けていければ十分。妊活中こそ、食事からやさしく体をサポートしていきましょう🌿