不妊治療の1つとして選ばれる体外受精。しかし、体外受精をしている人が周りにいなくてなかなか実情を聞けないという方もいるかもしれません。本記事では実際に体外受精にて双子を授かった経験談をご紹介します。これから体外受精を検討している方、周りに体外受精経験者がいないので治療の実際が分からないという方は、経験談の1つとしてぜひお読みください。体外受精に至った経緯まずはなぜ体外受精に至ったのかその経緯についてご紹介します。筆者はそもそも幼少期の病気によって手術をした影響により、片方の卵巣を摘出しています。そもそも人の卵巣は2つあり、排卵日にはどちらか片方の卵巣から排卵をする仕組みです。しかし、卵巣が1つしかない筆者は、その卵巣から排卵をしなかった場合には排卵はありません。つまり、一般の方よりも排卵の確率が1/2と低いことから、幼少期に手術をした医師からも妊娠を希望した場合には積極的に不妊治療をすることを勧められていました。このことから、他の人よりも早いタイミングで不妊治療をしていこうと考えていました。そして、結婚をし、妊娠を考えたタイミングで、不妊治療の専門クリニックを受診しました。幸いほかの婦人科系疾患はなかったこともあり、すぐに治療をスタートしました。片方しか卵巣がないということや、排卵の可能性が低いということを考慮した結果、通常であれば行われるタイミング療法や人工授精をスキップして体外受精からのスタートとなりました。体外受精ではどんなことをする?体外受精は、どんなことをしていくのか、ここで詳しくご紹介します。卵子を育てるまずは薬を使って卵子を育てていきます。筆者は飲み薬としてクロミッド、点鼻薬としてプセレキュア、そして卵胞を育てるための注射薬を使いました。注射薬の場合は自宅で注射をするか、病院に通って注射をするかを選べます。通院をすると、その分の時間とお金がかかることから節約のために、注射方法の指導を受け、自宅で注射を行いました。卵子を育てるための薬剤は、副作用が強いといわれていましたが、副作用は全くなく、普段通りに生活しました。当時通勤1時間程度かけてパートで仕事をしていましたが、仕事への影響もほぼありません。。採卵1~2日ごとに医療機関で経過観察をして、卵胞が発育していることが確認できたタイミングで採卵をしました。採卵は起きている状態で行うところもあるようですが、筆者の病院では全員が全身麻酔で行うところでした。採卵室に入ってすぐに麻酔をかけてもらったので、痛みなども全くないまま採卵は終了し、結果、16個の卵子が採れました。また、このタイミングで夫も精子を採取して体外受精を培養士が行いました。結果、16個中12個が受精し、Aランクといわれる最高ランクのものが4個、次のランクにあたるBランクが6個、Cランクが2個という報告を受けています。子宮内膜を育てる採卵の周期が終わり、生理を確認してから、治療をスタートさせます。医療機関によっては新鮮胚移植といい、採卵をした周期にそのまま体外受精をおこなうこともありますが、筆者が通っていた病院では新鮮胚移植を行わないという方向性のため、その周期は見送り、次の周期から体外受精がスタートしました。まずは貼付薬、注射薬、内服薬で子宮内膜を育てます。このときも薬剤に対する副作用症状は特にありません。注射薬も採卵のときと同様に自分で行いました。検査は3~5日ごとに1回行い、子宮内膜の成長を確認しました。検査が頻回となったので、仕事量をさらに減らし通院を優先して過ごしています。順調に子宮内膜が育ったので、その周期にそのまま体外受精の日にちを決め、体外受精へ移りました。体外受精実施決められた日の午前中に受診をして検査着に着替え、体外受精を実施しました。体外受精を行う前に、注射薬を1本打ってから治療室へ入室します。注射薬の副作用反応により、ほてり感や口の渇きはありましたが本当に一時的なもので15分程度でおさまったと記憶しています。医療機関によって考え方は異なるものの、通っていた医療機関はアシストハッチングを積極的に行う医療機関でした。アシストハッチングとは透明帯の一部を開口して、着床率の向上をはかる方法です。とくに凍結させた受精胚は透明帯が硬くなってしまいます。透明体が硬くなると胚盤胞が受精卵の外に脱出しにくくなり、せっかく子宮内膜を着床しやすい環境に整えていても受精のタイミングがずれやすくなり、妊娠成立がしにくくなります。このことから、アシストハッチングをしたうえで、凍結胚を移植しました。移植したのは最高ランクであるAランクの受精胚です。体外受精中は特に身体への違和感もなく、設置されたモニターに映し出された受精卵を胎内に戻す映像を見つつ、妊娠できるかどうかの不安を感じながら過ごしました。安静にして帰宅受精終了後は看護師の指示があるまで別途で安静にし、その後支払をして帰宅しています。体外受精後も子宮内膜を育てるための貼付薬と内服薬、漢方薬は継続との指示が出たので薬も処方してもらっています。筆者がいた病院はすべて成功報酬制のためこの日の会計はありません。体外受精後は、少量出血があったものの、それ以外にはとくに症状もありません。医師より「安静にせず、いつも通りに過ごしてほしい」といわれていたため、いつも通り仕事をしながら過ごしています。妊娠の確認決められた日に病院へ受診し、採血にて結果の確認をしました。結果は陽性でしたが、検査値が少々低かったこともあり、体外受精後に使っていた薬はすべて継続となりました。妊娠をしたという結果については喜びを感じていたものの、継続できるかどうかがまだ分からないという言葉をもらっていたことや、つわりなどの症状が全く無かったこともあり、実感なく過ごしていました。治療回数とその後の経過筆者は体外受精を2回行っています。上述した一度目の治療は、心拍を確認できず、そのまま掻爬(そうは)手術をしています。治療をしていた医療機関では掻爬手術後は子宮内膜がキレイになっているためすぐに治療をしたいという方向性だったので、次の生理を待って2回目の体外受精をしました。筆者の通っていた医療機関は妊娠を強く希望する場合やリスクがない場合には2回目からは2個の受精卵を戻すという方向性のようでした。そのため、Aランクとランクが低く、妊娠の可能性が低いとされているCランクの2個の受精卵を移植した結果、そのまま双子を授かり、出産しています。筆者は不妊治療を決意して病院を受診してから1ヶ月ずつ処置をして行ったこともあり、受診から子宮内の検査まで1ヶ月、検査から採卵まで1ヶ月、採卵から体外受精まで1ヶ月と受診から3ヶ月程度で1回目の体外受精をおこない、トータル5ヶ月で妊娠して不妊治療を卒業しました。体外受精にかかった金額体外受精にかかった金額は次の通りです。なお、筆者が治療を受けた時にはまだ不妊治療が保険適用外でしたので、現在とは治療費用が異なるかもしれません。採卵の費用通っていた病院では採卵の費用は採れた卵の数だけかかるという方針のため、採卵までの薬代や採卵の技術代などを含めると約90万円程度かかりました。体外受精の費用体外受精の費用は、前後の薬代と治療費全て込みで100万円程度かかっています。なお、筆者が通っていた病院は成功報酬のため、治療時には請求がなく、心拍が確認できたタイミングでの請求となります。一度目の治療では心拍が確認できなかったこともあり、治療費用は大幅に抑えられています。まとめ体外受精をしていても公にしている方も少ないので情報が少ないという方もいるかもしれません。筆者は体外受精を2回、凍結胚を合計3個移植しています。ただし、移植する胚の数や凍結するかどうかなどは医療機関によっても異なります。あくまで、ひとつの体験談として参考にしてみてください。ライタープロフィールRay看護師として5年間働いた後、フリーライターとして独立し、現在8年目。幼少期の疾患により自然妊娠が難しいと医師から忠告されていたこともあり早い段階で不妊治療を開始。現在双子の母。