不妊治療に関連する給付金について2022年4月から、不妊治療への公的な保険が適用されることとなりましたが、保険適用に回数制限や年齢制限がある等、医療費が高額になるケースも考えられます。そこで、公的な保険と合わせて民間医療保険で治療に備えることも選択肢の一つです。この記事では、各保険会社の給付金内容と適用範囲、給付金の請求方法、不妊治療にかかる費用への備え方と貯金のバランスについて、具体的な保険商品も含めて説明します。各保険会社の給付金内容と適用範囲不妊治療に対応した保険は、一般的な医療保険にオプションで不妊治療に関する特約をセットする商品が主流となっており、保障内容も保険会社によって異なります。ここでは4つの保険商品の概要をご紹介します。1: 日本生命「Chou!Chou!(シュシュ)」日本生命の「シュシュ」には、主契約の3大疾病保障保険に加えて、不妊治療、出産をサポートする特約がついています。加入条件:18歳~40歳までの女性メリット:①体外受精、顕微受精の治療を受け「採卵」「胚移植」を行なった場合に一時金が12回まで受け取れる。(1~6回目:1回につき5万円、7~12回目:1回につき10万円→契約から2年経過後の治療)②出産をすると、出産一時金を受け取れる。(契約から1年経過後の出産)③掛け捨ての保険ではなく、満期に一時金として受け取れる。デメリット:①死亡保障、満期一時金があるため、保険料が高め。例2: はなさく生命「はなさく医療」はなさく生命の「はなさく医療」は、主契約に「女性医療特約」をつけることができます。加入条件:①0~満85歳(ネット申込は満20~満69歳、郵送申込は満20~満85歳)②女性医療特約は女性のみメリット:①体外受精・顕微授精の治療で、採卵または胚移植を受けたとき女性疾病入院給付金日額(2000円~5000円から1000円単位で選択)×10倍の一時金が1回のみ受け取れる。②保険料は加入時から上がらない。③申し込みから給付金の請求まですべてオンラインで可能。デメリット:①契約開始から2年間は、不妊治療に関する一時金が受け取れない。例3: 三井住友海上あいおい生命「&LIFE 医療保険Aセレクト」三井住友海上あいおい生命の「&LIFE医療保険Aセレクト」は、主契約に「女性サポート給付金付きガン診断給付特約」をつけることができます。加入条件:16歳~40歳までの女性メリット:①体外受精、顕微受精の治療を受け「採卵」「胚移植」を受けたときに一時金が12回まで受け取れる。(1~6回目:1回につき2.5万円、7~12回目:1回につき5万円→契約から2年経過後の治療)②出産をすると、出産一時金が受け取れる。(契約から1年経過後の出産)③掛け捨ての保険ではなく、満期に一時金として受け取れる。デメリット:①契約開始から2年間は、不妊治療に関する一時金が受け取れない。②「採卵と胚移植の両方の施術を受けた場合は、それぞれの施術について1回の特定不妊治療として取り扱う」ので、回数が増えてしまう。上記3つの保険商品の共通した特徴で「契約開始から2年間の不担保期間があり、すぐに給付金を受け取れない」ことがありますが、もう既に不妊治療を開始している、過去に不妊治療の経験がある場合は、下記の保険もおすすめです。例4: アイアル少額短期保険「子宝エール」 アイアル少額短期保険「子宝エール」は、主契約の医療保険に加えて、過去1年以内に不妊治療の経験がある女性に対して「特別条件特約(B)」を提供しています。加入条件:①過去1年以内に「排卵誘発剤の投与」「人工授精」「体外受精」などの不妊治療をしている、または今後行う予定がある女性。②日本国内に在住で年齢が満20歳~69歳まで。③不妊治療以外の健康状態は問題がないこと。メリット:①不妊治療中でも保険に入ることができる。②女性に多い疾病(卵巣の機能障害・乳房、女性性器の機能障害・妊娠、分娩の合併症・がんなど)に備えることができる。デメリット:不妊治療そのものの保障ではない。給付金の請求方法給付金の請求方法を知っておくことは、スムーズに給付金を受け取るために大切なことです。以下が一般的な請求方法の流れです。保険会社によって給付金の受け取り方法が異なることがあるので、基本的な流れをおさえつつ、保険会社のサイトを見たり、サービスセンターなどに連絡したりして、よく確認しておくと安心です。【請求の流れ】給付金を請求するための一般的な流れは次のとおりです。診断書提出:治療が開始される前に不妊症の診断書を提出。費用明細:治療にかかった費用の詳細な明細や領収書を保管、提出。保険請求書:保険会社が提供する請求書を記入・提出。(オンライン、郵送など)給付金の受け取り:1週間~1か月と受け取りの時間に幅がある場合がある。不妊治療にかかる費用の備え方と貯金のバランス不妊治療にかかる費用の備え方と貯金のバランスを取るための考え方についてお伝えします。【費用の詳細な計画】治療初期の細かな診断や検査の後、タイミング法→人工授精→体外受精・顕微授精と治療の段階が上がるごとに、治療費も上がっていきます。担当の医師と相談をしながら、不妊治療に必要な費用を詳細に計画し、以下を考えておくと安心です。診断検査の費用治療段階ごとの費用【緊急貯金とのバランス】費用の計画がついたら、生活費、不妊治療用の資金、緊急用の貯金を分けて管理するのがおすすめです。治療開始時点での資金が少額の場合は、給料からの自動引き落としによって、不妊治療用の資金口座に振り替える方法が便利です。予想外の出費や併発した症状に備えられるように緊急用の貯金があると安心です。まとめ不妊治療にかかる費用は高額であり、民間保険での給付金は負担を軽減する1つの手段です。各保険会社の具体的な給付金内容と適用範囲を確認し、自分に合った医療保険、サービスを検討しましょう。同時に費用の計画を立て、貯金を持っておくことも有効です。不妊治療に向けて経済的な負担が少しでも減るように、準備していきましょう。